日本で唯一!下水道の中に入れる「小平市ふれあい下水道館」

「あっ!」という間に春から初夏の空気に入れ替わり慌ただしい昨今、皆様いかがお過ごしでしょうか?

桜が咲いたと思ったらあれよあれよという間に八重桜、藤、菖蒲と駆け抜けるように花が咲き乱れ花見団子を持ちながらオロオロしている私、ツバメホームズの小野です。

本日は花粉の季節もばっちり終わってお散歩日和、弊社も繁忙期を過ぎてほんの少し時間もできましたので、玉川上水沿いに鷹の台駅付近までやってまいりました。

ちなみに玉川上水、上は羽村から下は小金井まで流れている、いわゆる用水路です。

羽村の桜並木や取水口のお見事さ、砂川水衛所跡の興味深さも魅力的ですが、木陰の中を散策できる小平市内が玉川上水で1番素敵だと思っております。もちろん身内贔屓ですよ、ええ。

まあ玉川上水の話は長くなるので次の機会に持っていくとして、今回ご紹介したいのはこちら「小平市ふれあい下水道館」。以前からどうしても皆様にお教えしたい施設の一つでございます。

一見すると円筒型の小さな建物で見所が少ないのではないかと思いきや、なんとこちらは地下25mまで掘り下げてあり地下5階建て、その上何と下水道の中に入ることができるという、非常にピーキーなテーマパークなのです!

ふれあい下水道館のキャラクター、ヒルガタワムちゃんは微生物がモデルのゆるキャラ…なのかな?お耳のフリルが大変にCAWAII!

小平が誇る武蔵野美術大学の学生さんがデザインしてくれたとの事です。実際の微生物と比較すると、その想像力にアーティストって凄いな…と…

※google画像検索:ヒルガタワムシ

入口左右にはオタマジャクシやメダカのいる素敵なビオトープが。ちなみに下水道博物館は無料、館内撮影可。動画撮影の場合はお問い合わせくださいとの事です。

地底体験な気持ちになれる、見ごたえのある地下階段。

こちらの博物館はちょっと珍しく、一階づつ階段を使って下っていく順路となっております。

階段中央には深度に合わせて地層の模型が展示されており、関東ローム層の赤土感がとってもリアル。

踊り場には藻の標本や温度計、学習パネルなどが表示されており、その充実ぶりについつい真剣に見てしまい、なかなか下に降りられません。

空中に浮かぶお父さんやマンホール、世界の便器が一堂に!

地下1階は口座室となっておりましたが、ちょうど他の来館者の方が微生物を見て楽しんでおりましたのでいったん次の地下2階に。

急に飛んでるファミリーがお出迎え。お父さんはそんな所で落ち着いて事を為せる激強メンタリティの持ち主なんでしょうか、私でしたら出るものも出ません。

こちらでは下水処理の仕組みや歴史を、地下3階では小平での下水道の歴史が学べます。プロジェクトX感にちょっと興奮しちゃいますね。

その他、マンホール蓋写真展がやっておりました。広々とした室内とは言えませんが、兎にも角にも情報が多岐にわたりみっちり見どころ満載!といった印象です。

おっとクマペラ君を発見。ふれあい下水道館には他にもキャラクターがいるようです。

地下4階は特別展示室。実はひそかに気になっていたのに見逃したと思っていた「トイレグッズコレクション展」がご好評につき期間延長してました!

どうやら小平周辺、けっこう面白がりの方々が多いようです。

非常に興味深い内容でした。

そういえば余談ですが、骨董市で購入した風変わりな漆塗りの箱、花瓶だと思っていたのが昔のおまるだったことがありまして…

ふとあれはいったい何処に仕舞ったのやら、後年子孫が鑑定団に出して赤っ恥かかないといいな、なんて思いをはせてしまい…

閑話休題、詳しい内容はぜひ現場でご覧になっていただきたい!

下水はどこから来たのか 下水は何者か 下水はどこへ行くのか…

というわけで地下5階に移動しまして本日のハイライト、ふれあい体験室に到着いたしました!

何といっても日本唯一ですからね、ちょっとドキドキしながら展示室に入りますと、先客であろう若者グループがちょうど戻ってきた所ですれ違ったのですが皆様何だか解脱顔。

えーと私の予想としては何かテンション上がって「うわー臭い!」だの「暗いー!」だの盛り上がりすぎて窘められちゃうような場所かと思っていたのですが、皆様一様に映画ミッドサマーでも見た後か、と言わんばかりの苦み走った表情です。

勇気をもって踏み入れるも、先ほどの方々の表情が気になって体験コーナー前を無駄にウロウロ。無駄にマンホールの作りに詳しくなってしまったり。

実はドアが解放状態でも、下水道のにおいをさして感じません。これは建物内全体で気圧を調整して匂いがこちらに来ないようにしているとの事。思いついた人凄いわ。

そしてとうとう下水道管内部に到着。

おおう、何と言いますか。この時『生きるとは…』なんて言葉が浮ぶくらいにはシンとした気持ちになりました。

もちろん匂いもあります。足元がしっかりと照明で照らされていますがトンネル奥の暗闇に恐怖も感じます。

しかし何よりこのカルマを感じる臭いの下水を管理し、浄化再生し、また川に流す。そのための水処理・汚泥処理プロセスの構築の歴史、かかわっている人々の偉大さ、下水を流している我々はこの下水を見ることも感じることもなく日々を過ごしていることの業深sすみません何を言っているのかよくわからなくなってます。

滔々と流れゆく下水の河。今日は水量も少ないのですが大雨の日は濁流がこの水道管いっぱいになる事もあるそうです。

流石に長時間滞在すると匂いにやられそうなので早々に退散し、しばらく展示室で呆然とします。床に配置されている小平限定マンホールが目に鮮やか…

先ほどの若人たちと同じように解脱顔になりながらもエレベーターを使って一階へ。さっき何ともなしに通り過ぎてしまった水槽の魚が今は眩しい。

お水綺麗っていいね。生きてるってすごいね。うーんやっぱり情緒が不安定。

おもしろうてやがて学びあり、そんなふれあい下水道館

我々は足元に下水が流れている事を普段は全く気にも留めず暮らしていますが、その間も滔々と汚泥交じりの水は流れ、誰かが綺麗にしてくれているわけで…

あたりまえだけど忘れていた事実に呆然としながら外に出ると、玉川上水に音連れている春は眩しいくらいに美しく。

そこでふと思い出しました。実は水道用水として多摩川から玉川上水に流れている水は小平監視所から東村山浄水場に送られているので、小平市内に流れている水は実は浄水ではないのです。

では何かと申しますと、実は下水処理水を高度に濾過した水を流しているのです!

これも話すと長くなるのですが、昔々、一旦は途中から途絶えてしまった玉川上水の水流を東京都は復活させようと『清流復活事業』をいう動きを起こしたそうなんですね。

そして昭和61年8月から高度下水処理水を流しはじめ、今に至るという事らしいです。

この綺麗な水がさっき見たような水を綺麗にして流しているとは信じられませんね!魚とか住んでますし、野鳥や小動物も水を飲みに来てますし。

でも水道にかかわる様々な縁の下の力持ちさんがここまでやっているから、私も玉川上水沿いを呑気にお散歩したり新緑の中大いに深呼吸できたり、挙句の果てにベンチでお団子食べたりできるわけですよ!(鷹の台にはおいしいお店がいっぱいですよ)

気にも留めていなかった下水道、様々な人々の努力や積み重ねてきた技術によって我々は安全で清潔な環境に生きていられるのだなあ…

昔は下水道が完備されていなくて人口が増えたら汚水が井戸や地下水に流れ込んで水質が悪化したとか、あの臭い水は実は微生物が分解しているとか、油を流すとえらい事になるとか、地下一階から順番に学んできた知識が、現実の下水道管を見た事で実感を伴って理解できます。

この立地、あの建物の作り、考えた人本当に凄いわ!

ちょっと見学に勇気のいる施設ですが、面白くてためになるのでぜひ一度ご来館されてみてはいかがでしょう?ただしデートコースとしては文責追わずという事でここは一つ、よしなによしなに。

小平市ふれあい下水道館はこちら

〒187-0022 東京都小平市上水本町1丁目25−31
西武国分寺線鷹の台駅下車 徒歩7分

  • 電話 042-326-7411
  • 開館時間 午前10時~午後4時休館日月曜(休日・祝日の場合は、その翌日)
  • 年末年始 (12月27日から1月5日まで)
  • 入館料無料

★小平市公式サイト 小平市ふれあい下水道館

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